当院について

臨床検査科

ごあいさつ

臨床検査は古くから問診・視診・触診・打診などの経験の積み重ねによる医師の主観で判断されていた医療に、科学的な数値に基づく客観的な裏付けを与えてきました。現在では臨床検査はEBM(evidence-based medicine)、すなわち根拠に基づいた医療を行うための基本となっており、数多くの客観的医療情報が臨床検査から得られるようになっています。
業務は大きく検体検査と生理機能検査に分かれ、当臨床検査科の検体検査は一般検査、血液検査、生化学・免疫検査、輸血検査、細菌検査及び組織診断、細胞診断を行う病理検査があり、生理機能検査には心電図、超音波検査、脳波などがあります。

スタッフは臨床検査技師14名がおり部門内外の連携を深め、精度の高い検査データを迅速に報告する事をめざし日常の業務を行っています。

平成23年4月には日本臨床衛生検査技師会から精度保証施設の認証を受けました。

臨床検査科の仕事

「一般検査」

おもに尿検査(尿定性・沈渣・尿生化学)や便潜血検査を行います。その他には体腔液(胸水・腹水)、脳脊髄液などの穿刺液、迅速感染症、精液、寄生虫などの検査を行っています。

  • 尿定性/沈渣
    尿中に存在する糖や蛋白、血球などの成分や上皮細胞、細菌、結晶などの有形成分について調べます。全自動尿統合分析装置を導入して迅速な報告体制を整えています。
  • 尿生化学
    腎臓から漏出してきたホルモンや糖、蛋白、電解質などの微量成分を測定します。
  • 便潜血
    胃や大腸など消化管からの出血の有無について全自動便中ヒトヘモグロビン分析装置を使用して調べます
  • 体腔液(胸水、腹水)、脳脊髄液
    体腔液や脳脊髄液中に含まれる糖や蛋白の濃度及び細胞数、細胞の種類を調べます。
  • 迅速感染症検査
    A群溶血連鎖球菌抗原や各種ウイルス抗原の検出を約15分で判定し感染症の診断と治療に役立てています。
「血液検査」

血算、血液像、骨髄像、凝固・線溶検査を行っています

  • 血算/血液像
    赤血球、白血球、血小板の数を算定して貧血の種類や血液疾患の有無などを調べます。測定には多項目自動血球分析装置を使用しています。
  • 骨髄像
    骨髄中にある血液細胞のもととなる細胞を調べて血液疾患の診断や腫瘍の骨髄転移の有無などを調べる際に行われます。
  • 凝固/線溶検査
    出血の原因や血栓症の診断及び治療効果を判断するために行われます。
    全自動血液凝固測定装置を使用してプロトロンビン時間、活性化部分トロンボプラスチン時間、フィブリノーゲン、トロンボテスト、ヘパプラスチンテスト、フィブリン分解産物、アンチトロンビンIII、Dダイマーなどを測定します。
「生化学/免疫検査」

血液中の成分であるタンパク質(アルブミン、CRP、総蛋白など)、酵素(AST、ALT、LDHなど)、脂質(総コレステロール、中性脂肪など)、糖質(血糖、HbA1cなど)等を測定して、お体がどのような状態にあるのかを調べます。結果を報告するまでの時間は約30分ですがホルモン値や腫瘍マーカーなどは約50分かかります。診察前に検査結果を届けられるように努めています。

臨床検査科臨床検査科
「輸血検査」

血液型検査や不規則抗体のスクリーニングには細心の注意を払い検査精度の維持に努めています。独自の輸血システムを使用して輸血製剤や患者さんの輸血情報を管理し、手術の際に使用する自己血も血液製剤と同様に安全に保管しています。
血液製剤の使用状況を輸血療法委員会に報告して安全で適正な輸血療法の推進に努めています。

「細菌検査」

感染症の診断に必要な検査で、喀痰・上咽頭・血液・尿・便などを検査します。抗菌薬の選定のために薬剤感受性試験を行い、また細菌同定感受性システムを使用して正確な結果を報告しています。
院内感染対策委員会に毎週ごとの感染症情報を提供し院内感染の防止に努めています。

「病理検査」

病理検査は組織診断・細胞診断・病理解剖の三つに分かれます

  • 組織診断
    内視鏡などで採取された組織や手術検体から標本を作製します。これを顕微鏡で観察して疾患の種類や拡がりなどを検索し腫瘍性病変か非腫瘍性病変か調べます。又腫瘍の良性・悪性の鑑別診断を行います。病気の治療方針の決定や確定診断に重要な検査です。組織診断は二名の病理医(非常勤)によるダブルチェックが行われ診断精度を高めています。
  • 細胞診断
    体から剥離した細胞(尿・喀痰など)や病変部に針を刺して直接採取した細胞(乳腺や甲状腺など)を顕微鏡で観察して悪性細胞の有無を調べます。特に病変部から得られた細胞は良性・悪性等について推定することが可能です。細胞診断が疑陽性以上の場合は細胞検査士の資格を持つ技師二名によるダブルチェックと細胞診専門医の最終チェックを通じて主治医に報告しています。
  • 病理解剖
    亡くなられた患者さんの死因の究明や生前の臨床診断の適否及び治療効果などを判断するために行われます。
臨床検査科臨床検査科
「生理機能検査」

生理機能検査は患者さんに直接触れて行う検査が多く、患者さんの症状や体調などをお伺いしながら安心して検査を受けていただけるよう心がけています。患者さんとのコミュニケーションも大切な仕事の一つとなります。
検査は循環器系、呼吸器系、脳・神経系の機能検査を行っており、循環器系の検査には心電図、ホルター心電図、心臓超音波検査、24時間血圧測定検査などがあります。超音波検査は超音波検査士の資格を持つ技師が担当し、循環器科専門医と共に検討会を開いてすべての症例を確認しています。
肺の呼吸機能検査は喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの場合に行います。
睡眠時無呼吸症候群の検査(下記参照)は夜間睡眠時の呼吸状態を調べるため病院に一泊して行います。その他の検査としては脳波や下肢血管超音波、脈波伝播速度、神経伝導速度などを測定しています。

臨床検査科臨床検査科

睡眠時無呼吸症候群の検査について
睡眠時無呼吸症候群の診断と治療に不可欠な終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)を行っています。
昼間の眠気や睡眠時のいびきなどでお困りの方は、一度呼吸器内科を受診してください。

「認定資格」

臨床検査科の技師はすべて国家資格を取得しています。さらに専門学会による認定資格を得た技師が正確で安全な検査を行っています。これからも認定資格の取得に努めていきます。

認定資格名 認定学会名 人数
細胞検査士(CTJSC) 日本臨床細胞学会 3
国際細胞検査士(CTIAC) 国際細胞学会 2
超音波検査士(循環器領域) 日本超音波医学会 3
認定心電検査技師 日本心電学会 2
日本糖尿病療養指導士 日本糖尿病療養指導士認定機構 1